自動巻線機について

 

~ウエノ自動巻線へのあゆみ~

トロイダルコイル伝統的な手作業(1982年~)

 ウエノは1982年の創業以来、内職、刑務所、中国での生産と安い労働力を求めながら発展してまいりました。私たちが作るコイルは、述べ1000人余りの人間による膨大な手作業によって生み出されています。未だに世界中にあるトロイダルコイルはこのように人手に頼った生産方式が主流でした。

 

手巻きトロイダル

 

 しかしながら激化する低価格競争に勝ち抜くこと、安全な品質の商品を提供すること、深刻な労働者不足による不安定な供給面の課題、それらの課題・懸念を解決し今後さらなる発展のためには、従来の延長線上の生産方式では限界があると考えています。

 ウエノの自動巻線への挑戦はここからはじまりました。

 

トロイダルコイルの自動巻線機 ・・・2007年~今日まで

 2005年より研究開発で進めてきたトロイダルコイルの自動巻線機の開発がようやく成就しました、人が行う繊細で複雑な動きを機械化させることに成功し、手巻きの3倍の巻線スピードを実現しています、開発の過程では何度も失敗を繰り返しはしましたが、出来るまであきらめない・最後までやり遂げるという強い思いにより成功することができました。

 また最終的にこの生産ラインは、巻線から後加工のまで全自動化を実現し、世界で初めてトロイダルコイルの全自動化に成功し、日経経済新聞ものづくり大賞「日経BP特別賞」を2008年に受賞させていただきました。

 

自動きトロイダル 三川ADR-25

 

 この装置は、2007年から現在まで、国内生産拠点の三川工場で使用して生産しており、月約50万個のコイル(当社ADR-25シリーズ)を生産しています。また累計生産台数で6,000万個(2019年7月時点)に至ります。

 その後、上記で培った技術により、ノーマルモードタイプの自動巻線機も開発を行い、今日車載用途などのコイルも生産しております。

 

ノーマルモード巻線機

 

超高速巻線方式の発明とウエノコイル・・・2013年~今日まで

 2011年から研究開発を進めた、次の巻線装置は、従来の反対の方式 “押し出し巻く” 技術を採用し飛躍的な製造タクト短縮(手巻きの1/60)を実現し、業界に大きなインパクトを与えました。

従来巻線

  • 巻線動作が間欠的な動作となるため遅い
  • 銅線を引っ張り、巻き締めるためコアにストレスがかかる
  • 銅線を1本づつカットして、コアに巻線するために複数のコアを連続で巻線することができない

新方式

  • 銅線をローラーにぶつけ、塑性変形させてコイリングするためコアにストレスは発生しない
  • ボビンから銅線を直接送り出し続けることにより、連続で巻線を行うため、高速巻線可能

 

超高速巻線機

 

 この超高速巻線方式を採用したシリーズ、ウエノコイルは販売以降(2013年以降)、世界中のTV電源、ノートPCのACアダプタ、LED照明電源、プリンターの電源等のラインフィルタとして広く採用され、シリーズ累計生産台数で1億個以上(2019年5月時点)採用されています。

 ウエノコイルのもうひとつの特徴として、上記巻線方式に適応させるため、デザインを一新し、その結果、性能面でも有利な特徴を有することができました。

デザイン 参考UC19シリーズ

 

 性能面では広い周波数でインピーダンスが高く(ノイズ除去効果)があるため、回路によってはラインフィルタを2個から1個に削減できたり、複数のラインフィルタをひとつに共通化するというメリットが御使用されているお客様より報告されています。

 

ひとこと

 30余年余りのコイル製造を経験する中で、迷いに迷った末決断したことは、トロイダルコイルの自動生産装置の開発とその量産でした。迷った理由は「費用対効果を満足させる機械を作ることが出来るだろうか」と懸念をもったことです。

 いまだにこの課題は完全に解決はしておりませんが、自動化に挑戦する中で’’ウエノコイル’’と名づけた製品を生むことができました。

 広域の周波数でノイズを除去する特性の良さは完全に他のコイルを凌駕しております。

 特性を高めつつ、より軽く、より小型にと挑戦を続ける中で、更なる新製品を今後も生み出していきたいと思います。

代表取締役社長 上野隆一

手巻きvs 各種自動巻き 特徴比較

 

  手巻き 自動巻き 自動巻き 自動巻き
形状 トロイダル
トロイダル
ギアタイプ
ウエノコイル
巻線速度
性能
サイズ 新型タイプ◎
旧タイプ○
品質
特徴 最も普及しているタイプ手作業のため、生産性と品質安定性に欠ける、今後労働者の確保が問題 手巻き、トロイダルの巻線速度、巻線品質を改善したウエノ自動巻線で生産される商品、巻線装置が複雑なためカスタム対応は苦手 昔から使われている自動巻き可能なラインフィルタ、サイズが大くなるため、比較的基板に余裕のあるところで使われ、低電流タイプが多い 超高速巻線可能で、小型、高性能、巻線時の線間容量が少なく、高い周波数までノイズ抑制効果が高い、2013年より量産し、累計販売台数1億台と爆発的にヒット中

取扱製品一覧

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